風営法の接待行為【なんで私が逮捕?!】やってはいけない6つの基準

風営法違反の接待基準

あなたが風俗営業店の経営者で、「ガールズバーやスナックなら風俗営業の許可取る必要ないでしょ」と思っているならば、それは危険です!

それは、もしかして
「グレーゾーンかもしれないけどキャバクラじゃ無いから許可いらないでしょ」
「このあたりほとんどの店が許可なんて取ってないよ」
って思っていませんか?

グレーゾーンっていうけど・・・本当にグレーゾーンで大丈夫ですか?
みんなそうしてるから大丈夫・・・本当にみんなが大丈夫ですか?

まずは冷静に、この記事を読むことで、風俗営業の接待行為、無許可営業がどんな罰則に該当するのかがわかります。風俗営業の許可を取らずに営業するリスクを分かりやすくまとめました。

もしかすると、あなたも気がついていない違反を知ることができるかもしれません。

風営法の接待ってどういうこと?

風営法の接待行為とは

いきなり結論から言うと、風営法には誰もが共通して理解できる、はっきりとした接待基準は書いてないんです。
接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と書いてあるだけで、なにをどこまでしたらいけないのかわかりません。

風営法の接待の定義

風子

歓楽的雰囲気を醸し出すって、どういうことやねん!?
と思わずツッコミを入れたくなるくらい、何をしたらいけないのかわからないですね。

これでは誰もが正しく解釈できないので、風営法では、法律では足りない部分を「解釈運用基準」という警察庁からの通達でさらに細かく解釈できるようなガイドラインを示しているのです。

取り締まりを行う警察官、風営法を専門とする弁護士や行政書士は、実務においてもその通達をもとに風営法の解釈をしています。

では、解釈運用基準にはどう書いてあるのでしょうか・・・早速読み進めていきましょう!
解釈運用基準には、次の行為が接待であると定めていて、法律よりも具体的な表現がされています。

    • 営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対し
    • その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為(積極的な働きかけ)として
    • 相手を特定し興趣(楽しく愉快に感じる)を添える、会話やサービス等を行うこと

風子

えっ?これってサービス業として当然のことじゃない??
これが接待行為で風営法違反だなんて、なんか違和感を感じる方・・・
はい、あなたは正常な「おもてなし」力の持ち主です。

法子

そうなの、当然のことだから、まさかうちの営業が風営法に違反しているなんて!?と、警察の取り締まりにあって初めて知ったなんてこともあるくらい、接待行為の解釈は難しいのよ。
「母と娘の二人で頑張って、いつもの顔馴染みの常連さんがくつろげる愉しい空間を提供しようと、一生懸命おもてなしの精神でサービスしているスナック」であれば、ひょっとするとこの基準のために風営法違反になっているかもしれません。

風営法は、「もてなす」だけでは違反とはならないけれど、そこに「歓楽的雰囲気」があると接待行為になってしまうのです。

風営法の歓楽的雰囲気のポイント

しかし、問題なのは知らなかったでは済まされないのが風営法違反の無許可営業での逮捕。

歓楽的雰囲気を醸し出して営業していれば、知らないのが悪いとして、容赦無く取り締まりを受けることになるのです。

風子

でも、ちょっとまって!どうやったら歓楽的雰囲気が醸し出されるの?何をしたらいけないのか、わからないことばかりよ・・・

法子

そうね、あなたのお店が無許可営業とならないためにも、もうひと踏ん張り読み込んでいきましょう!通常のおもてなしに、なにをすると「歓楽的雰囲気が醸し出された方法」になるのか、続いて書いてあるわ。
「特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うこと」

と付け加えられています。

そうなんです。これが歓楽的雰囲気なんです。

でも、また曖昧な表現が出てきましたね・・・
この「通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス」とはどの程度なのでしょう。

「通常」とは誰の基準で判断すればいいのでしょうか。やっぱり誰にも共通してわかる、はっきりとした基準がないところが、この風営法の解釈の難しいところなんです。

誰にもわかる、6つの接待解釈基準

解釈運用基準6つの接待基準

解釈運用基準には、具体的な「接待の判断基準」が書いてあります。6つの項目に分類されて、接待の違反行為が具体的にわかるようになっています。

1.談笑・お酌等
2.ショー等
3.歌唱等
4.ダンス
5.遊戯等
6.その他

まずは何をしてはいけないのか、誰もがはっきりと理解できる2〜6を駆け足で見ていきましょう。

2.ショー等(●:接待に当たる ○:接待に当たらない)
特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為
ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し、同時に、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為
3.歌唱等(●:接待に当たる ○:接待に当たらない)
歌唱等特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う行為
客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為
4.ダンス(●:接待に当たる ○:接待に当たらない)
特定の客の相手となって、その身体に接触しながら、当該客にダンスをさせる行為
客の身体に接触しない場合であっても、特定少数の客の近くに位置し、継続して、その客と一緒に踊る行為
ダンスを教授する十分な能を有する者が、ダンスの技能及び知識を修得させることを目的として客にダンスを教授する行為
5.遊戯等(●:接待に当たる ○:接待に当たらない)
特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為
客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為
6.その他(●:接待に当たる ○:接待に当たらない)
客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為
客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為
社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触等
単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、 コート等を預かる行為等

以上2〜6まで、一気に見てきましたが「特定の客の相手となってデュエットやダンス、ゲームをして愉しむことは接待となるのだな・・・」ということは、誰にでも理解できる内容となっているかと思います。

スナックやガールズバーが無許可営業となる接待行為はここが重要

談笑お酌の接待基準

6つの接待基準のなかでも、少々問題があるのは1の談笑・お酌の項目です。
多くの経営者はこの部分の解釈が警察とかけ離れているために、無許可営業の接待行為を招く原因となっているのです。

 

1.談笑・お酌(●:接待に当たる ○:接待に当たらない)
特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為
お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為
客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為

はたして風俗営業の許可を取得してないガールズバーやスナックの営業で、どの程度の「談笑」が接待行為に当たるのか。解釈運用基準に照らし合わせて検証してみましょう。

接待行為が違反となる具体的事案

ボックス席での接待行為違反

「客の隣に座らないで接客をしなさい」

特にボックス席があるようなお店で起きる違反事例です。隣に座って接客、これはまさに接待行為が行われていると判断される行為です。たまたまであったとしても、紛らわしいことはしないのが得策です。

しかし、隣に座っていなければ大丈夫と「対面に座っての接客なら」と考えている経営者が多いところは問題です。

確かに、対面ならば「客の近くにはべり」と言えるかどうか、6の接待行為にある「客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為」はできないかもしれません。

ただ、特定の客に継続して談笑することが接待なのであって、隣に座っていないから大丈夫と考えるのは危険です。ボックス席は無許可営業での逮捕事案としての典型例となっています。

「うちの店はカウンターしかないから大丈夫」

ほとんどのガールズバーはこの解釈で営業しています。「カウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為」は接待ではないと解釈運用基準に書いてあるため、このような考えが生まれてきたのでしょう。

この「若干の」という言葉が一人歩きして、5分くらいの会話なら全く問題ないとか、15分くらいまでなら世間話のレベルだし「継続して」の会話とは言わないでしょ?と店側の都合のいい解釈もあったりします。

また、カウンターだからといって10席しかない店に、従業員が10人は接待行為が行われているとみられても仕方がありません。

マンツーマンにならなければ大丈夫、客と従業員の比率が3対1くらいならセーフ、これもありもしない解釈です。「特定の客又は客のグループに対して〜」と解釈運用基準にはしっかり書かれています。

「テーブルでお酌しないように」

意外とこれをダメと考えている経営者は多いですね。解釈運用基準には「お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為」は接待ではないと書いています。ボックス席のお客様のところで水割りを作るくらいは違反とはならないのです。もちろん、作ってすぐに立ち去ることは必要です。

「立ったままで会話するように」

これもまた屁理屈のような解釈です。もし警察の立ち入りがあっても、注文を取っていただけ、世間話をしていただけ、という言い訳ができるようにするための手段です。例えばハイテーブルだけのスタンディングスタイルのバーであっても、内偵調査で営業の実態は接待行為があると証拠がつかまれれば無許可営業で摘発されてしまいます。

接待行為をするなら風俗営業の許可は必要

風俗営業許可が必要な接待

キャバクラやホストクラブのように、客の隣に座り、お酌や談笑、また手を繋ぐなどの身体的接触、カラオケでデュエット、ゲームなどの遊戯をしていれば何の疑いもなく風俗営業の許可を取らなくてはいけません。

深夜酒類提供飲食店営業の届出だけで営業しているガールズバーやスナックは、この「談笑」の接待基準に該当するか?しないのか?の判断が難しい営業をしているところが非常に多い上に、グレーゾーンなら大丈夫と考えている経営者も多いのです。また、無許可営業での逮捕は他人事のように考えているような傾向も多少あるようです。

「継続」「速やかに」「若干」といった、人によって判断がまちまちな基準であるからこそ、業界内の噂や、勝手な解釈をすることは危険なんです。

この接待の基準に限らず、風営法には曖昧な基準が数多く存在し、解釈運用基準をもってしても誰もが正しい判断ができないところに、その恐ろしさと問題が潜んでいるのです。

何度も言いますが、風営法は誰にとっても共通で明確な基準を持たない部分がいくつかあります。だからこそ、警察が解釈している基準とはかけ離れていくのです。

現在の風営法における接待の判断の基準は、「何をしたらいけないか」で判断することは危険です。

「特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うこと」

少しでも「積極的に特定の客を愉しませることを目的としてする営業」に該当する可能性があるのならば、風俗営業の許可を取っておくことが得策と考えなければいけません。

なかには、おしぼりを手渡ししたら接待、カウンターで隣に座った瞬間に現行犯逮捕なんて話もあったりします。
それだけ極端な解釈をする警察官もいるくらい、接待の解釈は難しいのです。

無許可営業をした

  • 2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金(併科)
風営法違反従業員のイラスト風営法違反チェックリスト![従業員の逮捕リスク]回避ガイド!!

まとめ

20年も風俗営業のコンサルティングをしていると、「先生、これってグレーゾーンだから大丈夫だよね?」と耳にタコができるくらい相談されます。

しかし、実際のところ「風営法にグレーゾーンはありません。」白か黒かはっきりしているんです。

あなたがグレーと思っているならば、警察は黒とみている可能性はかなり高いと思っていた方がいいでしょう。