あなたが風俗営業店のキャスト採用の担当者で「なんか幼く見えるけど、本人も18歳って言ってるし・・・じゃあさっそく働いてもらおうか」って日常的にやっているならば、それは危険です!
しっかり住民票確認したから大丈夫・・・もしかしたらお姉ちゃんの住民票かもよ?
ちょっと怪しいけど18歳から採用したことにすればいいや・・・一人くらいバレないでしょっ?って考えてない?
まずは冷静に、この記事を読むことで、いま考えていることがどんな罰則に該当するのかがわかります。18歳未満や未成年の従業員を採用するリスク、飲食店も注意しなくてはならないことを分かりやすくまとめました。
もしかすると、あなたも気がついていない違反を知ることができるかもしれません。
目 次
風営法の5つの年齢制限
まずは風営法では年齢に対してどのような制限をしているのか?から確認していきましょう。
未成年は風俗営業の許可が取れない。管理者となることができない。
風俗営業の許可には、「人的欠格要件」というものがあります。
あなたがもし未成年者ならば、この欠格者となる要件に該当するために許可を取ることはできません。同様に、管理者となることもできません。
例外的に、未成年でも許可を受けることができることもあります。
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有する場合(例えば婚姻をしているなど)
- 相続の承認の手続きにより風俗営業の許可を相続した場合
ただし、この場合には、18歳未満の者が客の接待をしてはならないなどの条件付きの許可となります。
※成年年齢は2022年4月から、現行の20歳から18歳に引き下げられます。
18歳未満の者を客として営業所に立ち入らせてはいけない。
怪しいと思ったら、しっかり「年齢確認」をしましょう!顔写真付きの身分証明書が安心です。
風俗営業はゲームセンターの場合を除き、18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせることはできません。また、営業所の入り口に「18歳未満の者の立ち入り禁止」の表示をすることも必要です。
しかし、飲食や遊興、遊技をする「客として立ち入らせること」を禁止しているのであって、ぱちんこ屋などで、親を探しにきた子供を営業所に立ち入らせたことが、すぐさま違反となるわけではありません。
営業所の管理者は、客の年齢確認をすることを義務付けられています。
営業所のなかで、客の年齢が怪しいと気が付いた場合には速やかに年齢確認をしなくてはいけません。
平成27年の法改正で、ゲームセンターへの入場制限は緩和されました。
ゲームセンターは原則として午後10時までは18歳未満の者を客として立ち入らせることができますが、多くの都道府県の条例により保護者の同伴のない16歳未満の者は午後6時以降、保護者同伴の場合は午後10時以降立ち入らせてはいけないと規制されています。
この場合も同様に営業所の入り口には年齢ごとに立ち入ることのできない時間を表示しなければいけません。
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- 18歳未満の者を客として立ち入らせた場合
1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(併科)
行政量定 40日以上6か月以下の営業停止命令。基準期間は3か月
ただし、罰金以上の刑に処さられた場合には、許可取り消し
- 18歳未満の者を客として立ち入らせた場合
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- 年少者立入禁止表示義務違反行政量定 指示処分
18歳未満の者に接待行為をさせてはいけない。
風営法は18歳未満の者に接待をさせることは重大な違反行為となります。
接待行為、20歳未満へのたばこや酒の提供違反により罰金以上の刑に処せられた場合は、風俗営業の人的欠格事由に該当することになります。風俗営業の許可を受けている場合は取り消しとなります。
しっかり念入りに確認したつもりでも、キャバクラやガールズバーは時給も高いことから年齢を偽って面接にくることも無くなりません。
風子
法子
風子
こうならないためにも、従業員を採用するときには念入りな年齢確認が必要なんです。
風営法違反のニュースでも「18歳未満を客に接待させた」として報道されることが頻繁にあります。多くの場合は、18歳未満とわかって働かせていることが多いですが、違反した場合の罰則や処分を考えると、危険な判断です。
採用担当従業員には、年齢確認の方法をしっかりマニュアル化しておきましょう。
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- 18歳未満の者を客に接待させた場合
1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(併科)
行政量定 許可取り消し
- 18歳未満の者を客に接待させた場合
18歳未満の者に接客業務をさせてはいけない。
営業所で、午後10時から翌日の午前6時までの間に18歳未満の者を客に接する業務に従事させてはいけません。
客に接する業務とは、「客に接し、客にサービスを提供する業務」のことをいいます。「接待」や「酒類やタバコを提供すること」をいいます。
遊技場営業では、遊技料金を徴収することや、遊技球の貸し出し、遊技球等を賞品と交換する業務も含まれます。
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- 18歳未満の者に午後10時から翌日の午前6時までの間に客に接する業務をさせた場合
1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(併科)
行政量定 許可取り消し
- 18歳未満の者に午後10時から翌日の午前6時までの間に客に接する業務をさせた場合
20歳未満の者へ酒やたばこを提供してはならない。
ここでいう「提供」とは、風俗営業を営む者が販売した場合、贈与する場合に限らず、酒類を飲める状態に、たばこを喫煙できる状態にすることを言います。
- 未成年者が持参した酒類について燗をする場合
- グラスを使用させるような場合
- たばこについては灰皿等の器具を使用させる場合
など、その用に供する状態に置いたことは「提供」に当たります。
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- 20歳未満の者に酒やたばこを提供した場合
1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(併科)
行政量定 40日以上6か月以下の営業停止命令。基準期間は3か月
- 20歳未満の者に酒やたばこを提供した場合
18歳未満、以上、以下、18歳は含むの?含まないの?
風営法には、「18歳未満の者には〜」という規定がいくつか出てきます。
「18歳未満」と「18以下」という表現について、18歳は含むのか含まないのか、わからなくなってしまうなんてこともあるかもしれません。
18歳以下、18歳以上は | 18歳を含む |
18歳未満は | 18歳を含まない(17歳以下を言います) |
労働基準法と児童福祉法の年齢と時間制限
風営法の他に、18歳未満の者を雇用する場合に注意すべき法律があります。
これらの法律に違反して、罰金の刑に処された場合には風俗営業の人的欠格事由に該当し、風俗営業の許可を取ることができなくなります。
労働基準法 | 使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によつて使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
使用者は、満十八才に満たない者を(省略)福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない。
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児童福祉法 | 満15歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為をしてはならない。
児童(18歳未満の者)に淫行をさせる行為 児童(18歳未満の者)の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為をしてはならない。 |
風営法の従業員の年齢確認方法
風営法の年齢制限だけではなく、関連する法律や条例まで含めると18歳未満の者の使用を禁止している場合が多くあります。
本人が18歳だと言うことを信用したとか、履歴書を提出させたと言っても、それだけでは年齢確認の義務を果たしたことにはなりません。
キャバクラなどの従業員を客に接する業務に就かせる場合には、生年月日等の確認をする義務があるのと、その確認をした書類も保管しておく必要があります。
本籍地記載の住民票があれば、従業員名簿としては完璧です。
しかし、顔写真のない住民票だけでは、それが本人の生年月日であるのかわかりませんし、姉の住民票を持ってきて偽ることもできます。