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【飲食店向け】風営法第32条とは?深夜営業のルールと禁止事項・罰則を分かりやすく解説

「新しくお店をオープンして深夜も営業したい」「今の営業時間を延ばして朝まで開けたい」
飲食店を経営している方の中には、売上アップのために深夜営業を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、深夜(午前0時以降)に飲食店を営業する場合、「風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)第32条」という法律のルールを守らなければなりません。これを知らずに営業していると、警察の指導や営業停止、最悪の場合は逮捕につながるケースもあります。

この記事では、風営法第32条で定められている「設備ルール」や「禁止行為」、そしてよく混同されがちな「第33条(深夜酒類提供)」との違いについて、分かりやすく解説します。

風営法第32条とは?(深夜における飲食店営業の規制)

風営法32条の概要と対象時間

風営法第32条は、「深夜(午前0時以降)に飲食店を営業するすべてのお店」に対して適用される法律です。

(深夜における飲食店営業の規制等)
第三十二条 
深夜において飲食店営業を営む者は、営業所の構造及び設備を、国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
2 第十四条及び第十五条の規定は、深夜において飲食店営業を営む者について準用する。この場合において、これらの規定中「その営業」とあるのは、「その深夜における営業」と読み替えるものとする。
3 第二十二条第一項(第三号を除く。)の規定は、飲食店営業を営む者について準用する。この場合において、同項第一号及び第二号中「当該営業」とあるのは「当該営業(深夜における営業に限る。)」と、同項第四号中「業務」とあるのは「業務(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)」と、同項第五号中「十八歳未満」とあるのは「午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満」と、「を営業所」とあるのは「を営業所(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)」と、「第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること」とあるのは「保護者が同伴する十八歳未満の者を客として立ち入らせる場合を除く」と読み替えるものとする。
ここで重要なのは、キャバクラやバーだけでなく、深夜に営業しているラーメン屋、牛丼屋、ファミリーレストラン、カフェなどもすべて第32条の対象になるということです。午前0時を過ぎて営業する飲食店は、例外なくこのルールの対象となります。

よくある勘違い!「第33条(深夜酒類提供飲食店営業)」との違い

風営法の話題になると「32条」と「33条」がよく混同されます。この2つの違いを明確にしておきましょう。

項目 対象となるお店 警察への届出 主な目的
風営法 第32条 深夜に営業するすべての飲食店(ラーメン屋、ファミレス等も含む) 不要(通常の飲食店営業許可のみでOK) 深夜の騒音や青少年の非行防止
風営法 第33条 深夜にお酒をメインで提供する飲食店(バー、居酒屋、スナック等) 必要(管轄の警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必須) 深夜の酒類提供に伴うトラブル・風紀の乱れ防止

お酒をメインで提供するバーや居酒屋を深夜に営業する場合は、32条のルールを守った上で、さらに33条に基づく「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」を警察に行う必要があります。
【飲食店向け】深夜にお酒を提供する飲食店が知っておくべき届出ルールを徹底解説

風営法32条で定められている「遵守事項(設備のルール)」

午前0時以降に営業する場合、店内の設備や環境について以下のルールを守る必要があります。

営業所内の照度(明るさ)の維持

客席の明るさは「10ルクス以下」にならないように維持しなければなりません。
10ルクスとは、「上映前の映画館」や「ろうそくの火を間近で見る程度」のかなり薄暗い状態です。ムードを出すために照明を極端に落としているバーなどは、この基準に違反する可能性があるため注意が必要です。
【完全網羅】風営法14条の「照度(明るさ)」基準とは?業種別のルクス数と測り方を徹底解説

騒音・振動の規制

深夜は周囲が静かになるため、騒音や振動に関する規制も厳しくなります。
カラオケの音、スピーカーからのBGM、客の大きな声などが、各都道府県の条例で定められた数値(デシベル)を超えてはいけません。防音設備を整える、深夜のカラオケ利用を控えるなどの対策が必要です。
【風営法第15条】騒音・振動規制の基準とは?違反時の罰則と店舗がやるべき防音対策

絶対にNG!風営法32条で定められている「禁止行為」

設備だけでなく、営業方法についても厳格な禁止事項が定められています。

深夜の「客引き行為」の禁止

午前0時以降、道路などの公共の場所で客引き(キャッチ)をすることは法律で固く禁じられています。また、客引き目的で通行人の進路に立ちふさがったり、つきまとったりする行為も違法です。警察の取り締まりが非常に厳しいポイントでもあります。

18歳未満の深夜労働・客としての立ち入りの禁止

午後10時から翌朝6時までの間、18歳未満の者を働かせること、および客として店内に立ち入らせることは禁止されています。
※都道府県の青少年保護育成条例により、保護者同伴であっても深夜の立ち入りを禁止している地域が多いため、年齢確認の徹底が必要です。

20歳未満への酒類・たばこ提供の禁止

当然のことですが、未成年者飲酒禁止法に基づき、20歳未満の客にお酒やたばこを提供してはいけません。深夜は特に年齢確認(身分証の提示)を徹底する仕組みを作りましょう。


【行政書士監修】風営法第22条(客引きの禁止)とは?違法になる基準と重い罰則を徹底解説

【重要】深夜における「接待」は違法

飲食店営業(および深夜酒類提供の届出のみ)で、お客様に対して「接待」をすることは違法です。
風営法における「接待」とは、以下のような行為を指します。

  • 客の隣に座って談笑する
  • 客と一緒にお酒を飲む
  • 客と一緒にカラオケを歌う(デュエット)
これらの行為を行うには「風俗営業(1号許可:キャバクラやホストクラブなど)」の許可が必要ですが、風俗営業は原則として午前0時以降の営業ができません。つまり、深夜に接待を伴う営業をすること自体が違法(無許可営業または時間外営業)となります。ガールズバーやスナックを経営する際は、接待にあたる行為をしないよう従業員への指導が不可欠です。

風営法32条に違反した場合の罰則(ペナルティ)

これらのルールに違反した場合、重いペナルティが科せられます。

行政処分(指示・営業停止命令)

まずは公安委員会(警察)から、改善を促す「指示処分」が出されます。それでも改善が見られない場合や、悪質な違反(未成年への酒類提供や深夜の接待行為など)があった場合は、数日間〜最長6ヶ月の「営業停止命令」、あるいは「営業許可の取り消し」といった非常に重い処分が下されます。

刑事罰(懲役・罰金)

行政処分だけでなく、刑事罰(前科)がつくこともあります。
例えば、深夜の悪質な客引き行為や、無許可での接待行為などは、「6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金(もしくはその両方)」などの対象となります。

まとめ:深夜営業を行うなら風営法の正しい理解を

  • 深夜にお酒をメインで出すなら「第33条(深夜酒類提供)」の届出も忘れずに!
  • 客引き(キャッチ)と接待行為は絶対にNG!
  • 年齢確認と従業者名簿の管理を徹底する!
これらをしっかりと守り、健全な店舗運営を目指しましょう。もし、「うちの店は深夜酒類の届出が必要か分からない」「接待の線引きが不安」という場合は、風営法に詳しい行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。