風俗営業1号営業は、営業所内に2室以上の客室を設ける場合に、「洋風の客室」と「和風の客室」で1室の面積の最低基準が違うために注意が必要です。
ここでは、風俗営業1号営業の許可を取る場合に必要な2つの客室の基準を説明します。
風俗営業1号営業の客室面積
風俗営業1号営業は、ひとつの営業所内に客室を2つ以上設けようとする場合に、1部屋の面積を何㎡以上にしなくてはならないという基準があります。
洋風の客室 | 16.5㎡以上 |
和風の客室 | 9.5㎡以上 |
風俗営業の洋風とは
洋風の客室とは、一般的にキャバクラやホストクラブのような客室をいいます。靴を脱ぐことなく、ソファやカウンターチェアーに座って接客を受けるスタイルです。通常のホール以外にVIPルームなどを設けようとする場合には、それぞれの客室の面積を16.5㎡以上にしなくてはいけません。
風俗営業の和風とは
和風の客室とは、いわゆる料亭のような畳の客室をいいます。個室の客室で料理を食べながら接客を受けるスタイルです。和風の客室というためには、靴を脱いで、あぐらをかいたり、足を伸ばして床に座ることを想定しています。それぞれの客室の面積を9.5㎡以上にしなくてはいけません。
和風の客室が9.5㎡以上の謎
和風というためには、床の仕上げが畳であることを想定していると説明しましたが、なぜ9.5㎡なのでしょうか?
畳には4つの種類がある
畳には4つのサイズがあることをご存知でしょうか。主に中部地方より西側で使われる「京間」「中京間」、関東の「江戸間」、団地サイズの「団地間」と4つに分けることができます。
京間>中京間>江戸間>団地間で、京間と団地間では長さが20センチも違うのです。
風俗営業の基準となるのは「中京間」
風俗営業の面積は、中京間の畳サイズが基準になります。一畳が約1.65㎡で、風俗営業1号営業で基準となる洋室の客室1室の16.5㎡も、中京間で10畳のサイズです。
その他の風俗営業では、特定遊興飲食店営業の33㎡という基準も、20畳の広さが必要。
平成27年の法改正前にあったキャバレーやナイトクラブも66㎡という基準がありました。40畳の広さが必要でした。
このように、1.65㎡を基準にして、規則的に面積基準が定められています。
さて、ここで不思議に思うのは、なぜ和風の客室は9.5㎡以上なのだろう?という疑問です。
中京間が基準ならば、6畳は約9.94㎡なので、切りがよく10㎡以上とするのがいいのでは?
9.5㎡以上では、6畳の9.94㎡に足りていません。
畳には4つの大きさがあることをお伝えしましたが、東京には江戸間という、一畳が1.5488㎡の畳があるのです。この畳のサイズで6畳間をつくると9.2928㎡で、中京間よりも約0.6㎡小さくなります。
風俗営業の和風の客室は、6畳間を想定した基準ではあるのですが、地域によって畳のサイズが異なるため、中京間と江戸間のちょうどまん中、9.615㎡が基準なったのではないでしょうか…
これが、9.5㎡以上という私がたどり着いた謎の答えになります。
もしそうだとしたら、江戸間の基準を優先して9㎡以上にしてくれたらいいのにと思うのです。