【2026年最新】風営法第16条の広告・宣伝規制とは?接待飲食営業のNG表現4パターンと罰則を徹底解説

令和7年5月28日に公布された風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の一部改正法において、いわゆるホストクラブをはじめとする接待飲食営業に対する遵守事項が新設されました。
この背景には、客の恋愛感情等に起因する優位な関係性に付け込んだ悪質な営業行為や、歓楽的雰囲気の影響による客の判断力低下に乗じた高額請求など、重大な料金トラブルが発生しているという深刻な実態があります。こうした悪質な営業行為を規制するため、広告や宣伝に関する運用方針が明確化されました。

風営法第16条「広告及び宣伝の規制」の基礎知識

まずは、風営法第16条が何を規制しているのか、その根本的なルールを理解しましょう。

風営法第16条の条文と目的

(広告及び宣伝の規制)
第十六条 風俗営業者は、その営業につき、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。
(出典:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」

そもそも風営法による規制の目的は、歓楽的・享楽的な雰囲気が無制限に拡散し、善良の風俗や清浄な風俗環境が害されるのを防ぐための秩序付けにあります。

規制の対象となる「広告物」とは、常時または一定の期間継続して公衆に表示されるものであり、看板、立看板、はり紙、広告塔、建物などに掲出されたものを指します。

これらの広告物が、著しく客の遊興や飲食の意欲をそそったり、従業員間の過度な競争意識を生じさせたりして、違法行為を助長するような雰囲気を店外に拡散させる場合、法第16条の規制対象となります。

【要注意】広告・宣伝規制違反となる4つのNG表現・類型

接待飲食営業において、「ランキング制」と称して指名数や売上額を競わせ、上位者を表彰したり役職を与えたりする実態が見受けられます。
従業員の容姿とともにこうした営業成績や競争を強調する文言を広告に表示することは、客に高額な出費を煽り、従業員には違法行為をもいとわない意識を植え付けるため、規制違反とみなされます。
具体的には、以下の4つのいずれかに該当する表現がNGとなります。

① 営業成績を直接的に示す表現

接客従業者の具体的な売上や成績を直接アピールする文言は禁止されています。

NG例
「年間売上〇億円突破」「○億円プレイヤー」「指名数No.1」「億超え」「億男」

② 上位の営業成績を推認させる役職名の表現

直接的な金額ではなくとも、営業成績が上位であることを客に推測させるような役職名や称号の表示も違反対象です。

NG例
「総支配人」「幹部補佐」「頂点」「winner」「覇者」「神」「レジェンド」「新人王」

③ 従業員間の競争を強調する・優位性を裏付ける表現

上記以外の「ランキング制」自体の存在を匂わせるものや、他者との優位性を強調する文言も該当します。

NG例
「売上バトル」「カネ」「SNS総フォロワー数○万人」

④ 客に応援を過度にあおる表現

客に対して、ひいきの従業員を応援するよう過度に煽り立てる文言も禁止されます。

NG例
「○○を推せ」「○○に溺れろ」

屋外だけではない?営業所内のポスターや広告物に関する注意点

注意すべきは、規制の対象が「屋外の看板」だけではないという点です。
風営法第12条(営業所の構造及び設備の維持義務)の技術上の基準において、「善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと」と定められています。
したがって、営業所の「内部」であっても、客の意欲を著しくそそったり競争意識を過度に生じさせる広告物を設置した場合は、法第12条の維持義務違反に問われることになります。

広告・宣伝規制に違反した場合の対応と罰則(指示処分等)

実際に広告・宣伝規制違反が認められた場合、警察から以下のような厳しい対応がとられます。

  • 行政指導:まずは違反状態を是正するように指導が行われます。
  • 指示処分等:行政指導に従わない場合には、法第25条に基づく指示処分などの重い行政処分が検討されます。

まとめ:接待飲食営業者が今すぐ見直すべき広告施策

令和7年の改正および通達により、接待飲食営業における広告・宣伝への目はかつてなく厳しくなっています。
店舗を運営する管理者は、店外の看板やポスターはもちろん、店内装飾やSNSに至るまで、「売上ランキング」「過激な役職名」「客を煽る文言」が含まれていないか、今すぐ徹底的な見直しを行う必要があります。意図せず重大な違反とならないよう、適正な表現での集客を心がけましょう。