特定遊興飲食店営業に「遊技設備」は設置できる?許可申請のポイントと設置ルールを徹底解説

深夜のエンターテインメント空間を提供する「特定遊興飲食店営業」。クラブやライブハウスだけでなく、最近ではダーツバーやシミュレーションゴルフバーを深夜営業させるスタイルも増えています。

しかし、店内に「遊技設備」を設置する場合、どのような法的ルールが適用されるのか、特定遊興の許可だけで十分なのか、不安を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、特定遊興飲食店営業における遊技設備の定義から、設置にあたっての注意点、許可申請のポイントまでを分かりやすく解説します。

「遊技設備」が遊興にあたるケース

例えば、店内にダーツやシミュレーションゴルフ(遊技設備)を設置し、単に客が勝手に遊んでいるだけなら「遊興」にはあたりません。しかし、以下のような場合は遊興とみなされ、許可が必要になります。

  1. 店員が客と対戦したり、司会をして盛り上げたりする。
  2. 店側が大会やトーナメントを主催する。
  3. 特定の遊技設備をメインの売り物として客に利用させる。

遊技設備を設置する場合の取扱い

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の解釈運用基準
第24の4
特定遊興飲食店営業を営もうとする者が、営業所内に法第2条第1項第5号の遊技設備を設置しようとする場合が考えられる。
(1) 例えば、遊技設備を設置しているが、それを用いた競技大会は開催していないナイトクラブのように、遊技設備を設置して客自身に使用させるとともに、当該遊技設備を用いずに客に遊興をさせ、かつ、客に飲酒をさせる業態の営業を深夜に営もうとする場合は、遊技設備を客自身に使用させることにつき法第2条第1項第5号の営業の許可を受け、遊技設備を用いずに深夜に客に遊興と飲酒をさせることにつき特定遊興飲食店営業許可を受ける必要がある。この場合、法第2条第1項第5号の営業の部分には、風俗営業に係る営業時間の制限が適用され、風俗営業が認められない時間になった場合には、当該遊技設備を客に使用させないための措置を講じる必要がある(第17中2②を参照すること。)。このような営業において、仮に遊技設備が少なく、客の遊技の用に供される客室の部分の床面積が小さいときは、第4中3(1)イの取扱いを行うこととする。これによって法第2条第1項第5号の営業の許可が不要とされた場合には、風俗営業が認められない時間になった後も、当該遊技設備を客自身に使用させることが可能である。
(2) 例えば、遊技設備を用いた競技大会であって客に参加させるものを恒常的に開催するバーのように、遊技設備を用いて客に遊興をさせ、かつ、客に飲酒をさせる業態の営業を深夜に営もうとする場合は、遊技設備を用いて客に遊興をさせることにつき法第2条第1項第5号の営業の許可を受ける必要がある。当該営業は全体として風俗営業に該当し、これを営業延長許容地域で深夜に営もうとする場合には、特定遊興飲食店営業の許可を受ける必要はない。このような営業において、仮に遊技設備が少なく、客の遊技の用に供される客室の部分の床面積が小さかったとしても、第4中3(1)イの取扱いは行わず、法第2条第1項第5号の許可を受けなければならないこととする。これは、深夜に客に飲酒をさせ、かつ、営業者が客に働き掛けて当該遊技設備による遊興をさせることにより、享楽的雰囲気が過度のものとなって賭博を始めとする風俗上の問題を誘発するおそれがあり、風俗営業として規制する必要性が小さいとは言えないためである。

(1)遊技設備を「単に使わせる」だけの場合

  • 業態のイメージ: ナイトクラブのように、ショーや音楽など「遊技設備以外の方法」で客に遊興させつつ、店内の片隅にある遊技設備は客自身に自由に使用させる(店側が大会などを開催して盛り上げることはしない)というケースです。
  • 必要な許可: 遊技設備を使わせるための「ゲームセンター等(風俗営業)の許可」と、深夜に遊興・飲酒させるための「特定遊興飲食店営業の許可」の両方を受ける必要があります。
  • 深夜の扱い: 風俗営業であるゲームセンター等の部分は深夜営業ができないため、深夜帯になったら遊技設備の電源を切るなど、客に使わせない措置を講じる必要があります
  • 面積の特例の適用: あり。遊技設備の占める面積が客室の10%以下である場合は特例が適用され、ゲームセンター等の許可は不要となります。この場合、深夜であっても遊技設備を客に使わせることが可能になります。

(2)遊技設備を使って「積極的に遊興させる」場合

  • 業態のイメージ: スポーツバーなどで、店側が遊技設備を用いた競技大会を恒常的に開催し、客を参加させて盛り上げるなど、「遊技設備そのものを使って」客に遊興させるケースです。
  • 必要な許可: 営業全体が風俗営業に該当するとみなされるため、「ゲームセンター等(風俗営業)の許可」のみを受ければよく、特定遊興飲食店営業の許可を重ねて受ける必要はありません。
  • 面積の特例の適用: なし。遊技設備の占める面積が客室の10%以下であっても、特例は適用されず、必ず風俗営業の許可を受けなければなりません。
  • 特例が適用されない理由: 深夜に客に飲酒をさせ、さらに営業者が遊技設備を使って積極的に遊興(盛り上げ等)をさせた場合、享楽的な雰囲気が過度になり、賭博などの風俗上の問題を誘発する危険性が高いため、面積が小さくても風俗営業として厳格に規制する必要があるからです。

よくある質問(FAQ)

Q. ダーツを1台置くだけでも特定遊興の許可は必要ですか?
A. 深夜0時以降にお酒を出し、店員が対戦を盛り上げるなどのサービスを行うのであれば、台数に関わらず必要です。逆に、客が静かに個人練習をしているだけであれば「深夜酒類提供飲食店営業」の届出のみで足りるケースもあります。

まとめ

特定遊興飲食店営業において、遊技設備は魅力的なコンテンツですが、一歩間違えると「無許可営業」や「風営法違反」のリスクを伴います。判断に迷う場合は、図面を持って管轄の警察署や、風営法に強い行政書士へ相談することをお勧めします。