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【風営法】「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為〜を行うおそれがある者」とは?欠格事由と許可基準を徹底解説

キャバクラやホストクラブ、パチンコ店、バーなどの風俗営業を開業するためには、警察署を通じて公安委員会の許可を得る必要があります。その許可基準を調べていると、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の欠格事由の中に、非常に長くて難しい一文が出てきます。

(風営法第4条第1項第3号)
「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」
(出典:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」
「これはいったい何を意味しているのか?」「過去の交友関係やトラブルが原因で、自分がこの条文に引っかかってしまうのではないか?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、この条文は「暴力団や半グレなどの反社会的勢力、およびその関係者を風俗業界から排除すること」を目的としたものです。

この記事では、この長い条文の正確な意味、具体的に対象となる人物の例、そして近年の法改正に伴う警察の厳しい審査基準について、分かりやすく徹底解説します。

風営法における「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為〜を行うおそれがある者」とは?

まずは、この難解な条文が風営法においてどのような位置づけにあり、何を禁止しているのかを紐解いていきましょう。

風営法第4条第1項第3号(欠格事由)の概要

風営法第4条には「許可の基準」が定められており、その中に「欠格事由」というものが列挙されています。欠格事由とは、「この条件に一つでも当てはまる人には、絶対に許可を出しませんよ」というルールのことです。

問題の「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為~」という一文は、この欠格事由の第3号に規定されています。つまり、警察から「この人は暴力的な違法行為を繰り返しそうだな」と判断されるに足る理由がある人物は、風俗営業の許可を受けることができないのです。

「国家公安委員会規則で定める違法な行為」の具体例

条文にある「国家公安委員会規則で定める違法な行為」とは、具体的にどのような犯罪を指すのでしょうか。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則では、以下のような行為が定められています。

  • 暴力団対策法に規定する暴力的要求行為(みかじめ料の要求、不当な借金取り立てなど)
  • 刑法に規定される犯罪行為(傷害、暴行、凶器準備集合、脅迫、恐喝など)
  • 暴力行為等処罰に関する法律に違反する行為
これらの行為を「集団的に」あるいは「常習的に」行うおそれがあるかどうかが、審査のポイントとなります。

具体的に「誰」がこの条文に該当するのか?

では、実務上、具体的にどのような人がこの欠格事由に該当し、不許可となるのでしょうか。

暴力団の構成員・準構成員

最も明確に該当するのは、指定暴力団などの構成員(現役の組員)です。さらに、組員ではないものの、暴力団と資金的な繋がりがあるなどの密接な交際がある「準構成員」や「共生者」も対象となります。
注意すべきは、「暴力団を離脱してから5年を経過していない者」も、風営法上は欠格事由(第4条第1項第4号)として明確に排除されている点です。「今は組を辞めたから大丈夫」というわけにはいきません。

半グレ・匿名流動型犯罪グループ(トクリュウ)

近年、警察が最も警戒し、取り締まりを強化しているのが、特定の暴力団組織に属さずに犯罪を繰り返す「半グレ」や「匿名・流動型犯罪グループ(通称:トクリュウ)」です。
彼らは暴力団対策法の直接の網にかかりにくいものの、警察が過去の逮捕歴や交友関係から「実質的に暴力的な犯罪集団を形成している」と認知していれば、この「集団的に、又は常習的に〜」の条文が適用され、許可は下りません。

【要注意】背後で「支配的な影響力」を持つ者(最新の動向)

表向きの経営者(申請者)がクリーンな人物であっても安心はできません。近年の法改正や運用基準の厳格化により、「背後で実質的に店舗を支配している者」への規制が非常に厳しくなっています。

不許可・取消しになるケースの例

  • 反社会的勢力から開業資金の融資を受けている
  • 売上の一部を「ケツ持ち代(みかじめ料)」として反社勢力に上納している
  • トクリュウのリーダー格が実質的なオーナーとして経営方針を指示している
申請者自身がクリーンでも、上記のような人物が経営に「支配的な影響力」を持っていると警察に判断された場合、許可は下りず、営業中に発覚した場合は即座に許可取消し処分となります。

警察の身辺調査はどこまで行われるのか?

風俗営業の許可申請をすると、警察による厳格な身辺調査が行われます。

申請者(役員)・管理者の徹底的な身元確認

個人事業主の場合は申請者本人、法人の場合は「監査役を含む全役員」が審査の対象となります。さらに、店舗に常駐する「営業所管理者」も同様です。
警察は自局のデータベースを駆使し、過去の逮捕歴、前科・前歴、暴力団等との交友関係などを徹底的に調査します。「過去のトラブルは黙っていればバレないだろう」という考えは通用しません。

申請時の「誓約書」と虚偽申告の重いペナルティ

許可申請の際、申請者や役員は「私は欠格事由に該当しません」という内容の誓約書に署名・捺印して提出します。
もし、裏で反社会的勢力と繋がっているにもかかわらず、嘘をついて誓約書を提出し許可を得た場合、後から発覚すれば許可が取り消されるだけでなく、「不正の手段により許可を受けた」として刑事罰(逮捕)の対象となる可能性があります。

共同経営者やスタッフが該当してしまった場合の対応

自分自身は問題なくても、周囲の人間が欠格事由に触れてしまうケースもあります。

従業員の素行にも注意が必要

風俗営業の直接の許可要件(欠格事由)を満たす必要があるのは、経営者や役員、管理者です。末端のアルバイト従業員までが警察の身辺調査を受けるわけではありません。
しかし、その従業員が店内で暴力的不法行為を行ったり、実質的に店舗の運営を仕切るような立場(支配的な影響力を持つ立場)になってしまった場合は、店舗全体の責任を問われ、営業停止や許可取消しに発展するリスクがあります。

採用前のバックグラウンドチェックの重要性

クリーンな経営を守るためには、役員や重要なポジションの従業員を採用する際、企業側で自衛することが求められます。
採用時に「反社会的勢力とは一切関わりがない」旨の誓約書を交わすなどのコンプライアンス対策を徹底しましょう。

風営法許可を確実に取得するためのポイント

風営法の許可は、要件を満たし、正確な書類を準備すれば取得できるものです。しかし、グレーな部分がある場合は慎重な対応が求められます。

少しでも不安がある場合は隠さず専門家に相談する

過去にやんちゃをして逮捕歴がある、あるいは知人に反社と噂される人物がいるなど、少しでも自身の身辺に不安がある場合は、絶対に嘘をつかず、申請前に専門家に相談してください。
前科があっても、罪種や刑期、経過年数によっては許可が下りるケースは多々あります。素人判断で隠蔽して申請することが一番の命取りになります。

風営法に強い行政書士を活用するメリット

風営法の手続きは非常に煩雑です。風俗営業専門の行政書士であれば、警察署の生活安全課と事前に綿密な協議(事前相談)を行うノウハウを持っています。
あなたの状況を客観的に判断し、どのような証拠や書類を揃えれば合法的に許可を取得できるか、的確なアドバイスとサポートを提供してくれます。

まとめ

風営法第4条の「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為〜を行うおそれがある者」という条文は、暴力団や半グレ(トクリュウ)などの反社会的勢力を風俗業界から完全にシャットアウトするための重要なルールです。

  • 指定暴力団の組員だけでなく、元組員(5年以内)や半グレも対象。
  • 経営陣だけでなく、背後で「支配的な影響力」を持つ反社勢力がいる場合もアウト。
  • 警察の身辺調査は徹底しており、虚偽の申告は重罪に問われる。
近年は、表向きの組織に属さないトクリュウへの警戒が強まっており、審査はますます厳格化しています。風俗営業を末長く、安心して営むためには、クリーンな経営体制の構築が不可欠です。

許可要件についてご不安な点がある方、または煩雑な書類作成や警察対応をプロに任せたい方は、ぜひ風営法に強い当事務所までお気軽にご相談ください。合法かつスムーズな店舗オープンに向けて、全力でサポートいたします。

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