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【風営法】破産手続開始決定を受けて復権を得ない者とは?自己破産後に許可が取れるタイミングを解説

「過去に自己破産をしたけれど、風俗営業の許可は取れるのだろうか?」
「法人の役員になりたいが、破産手続中の場合はどうなる?」

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の許可申請にあたり、過去の自己破産歴について不安を抱える方は少なくありません。

結論から申し上げますと、自己破産をしたからといって、永久に風営法の許可が取れなくなるわけではありません。「復権」という法的な状態をクリアしていれば、問題なく許可を取得できます。

この記事では、風営法における「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」の正確な意味と、許可が取れるようになる具体的なタイミングや確認方法をわかりやすく解説します。

風営法における「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」とは?

風営法の許可を得るためには、法律で定められた基準をクリアする必要があります。その基準の中には、「このような人には許可を出してはいけない」というルールが存在します。

風営法第4条で定められた「欠格事由」の一つ

風営法第4条第1項には、許可を与えてはならない人物の条件(欠格事由)が列挙されています。その第1号に記載されているのが、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」です。

【参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第4条第1項第1号】
公安委員会は、次の各号のいずれかに該当する者については、前条第一項の許可をしてはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
つまり、この状態に当てはまっている期間は、原則として風営法の許可を受けることができません。
(出典:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」

「破産手続き中」と「復権」の違い

法律用語を分かりやすく整理してみましょう。

  • 破産手続開始の決定を受けた者:裁判所に自己破産を申し立て、裁判所が「この人は支払不能の状態にある」と認め、正式に破産手続きがスタートした状態の人。
  • 復権を得ない者:破産手続きが開始された後、まだ破産者としての法的な資格制限(職業の制限など)が解除されていない状態の人。
逆に言えば、「復権を得た者」になれば、風営法の欠格事由からは外れるということです。

「復権を得ない者」が風営法で制限される範囲

「復権を得ない者」に該当している期間、風営法関連で具体的にどのような制限を受けるのかをまとめました。

① 個人事業主として風俗営業の許可申請をすること

あなた自身が個人事業主(代表)として、風俗営業(キャバクラ、ホストクラブ、パチンコ店、麻雀店など)や深夜酒類提供飲食店などの許可申請・届出を行うことはできません。

② 法人の「役員」に就任すること

法人(株式会社や合同会社など)で許可申請をする場合、会社の役員(取締役や監査役など)のうち1人でも「復権を得ない者」が含まれていると、法人としての許可が下りません。すでに許可を受けている法人の場合、役員が破産して復権を得ていない状態になると、許可取消しの対象となります。

③ 営業所の「管理者」になること

風営法では、店舗ごとに業務を統括する「管理者」を1名選任する義務があります。この管理者にも欠格事由が適用されるため、復権を得ていない状態では管理者として登録できません。

【補足】一般従業員やキャスト(接客スタッフ)として働く場合は?

風営法の欠格事由は、あくまで「経営者(個人・法人役員)」や「管理者」に対して適用されるものです。そのため、店舗の一般従業員やキャストとして雇用されて働くこと自体を、風営法が禁止しているわけではありません。

いつ「復権」できる?自己破産後に許可が取れるようになるタイミング

それでは、いつ「復権」し、風営法の許可が取れるようになるのでしょうか。

最も一般的な「当然復権」のタイミング(免責許可決定の確定)

通常の自己破産手続きにおいて最も多いのが、裁判所から借金の支払いを免除してもらう「免責許可決定」を受けるケースです。

裁判所が出した「免責許可決定」が確定した時点で、特別な手続きをしなくても自動的に復権します(当然復権)。
一般的には、自己破産の申し立てから免責許可決定が確定するまで、概ね3ヶ月〜半年程度かかります。この期間を過ぎれば、風営法の欠格事由から外れます。

免責が得られなかった場合などの復権

ギャンブルや浪費などが原因で免責が認められなかった(免責不許可)場合でも、以下のような条件を満たすことで復権が可能です。

  • 借金の完済:債権者に対して自力で借金を全額返済する(または和解する)などして、破産債権者がいなくなった場合。
  • 10年の経過:破産手続開始の決定後、詐欺破産罪などで有罪判決を受けることなく10年が経過した場合。

自分が「復権しているか」を確認する方法

復権の有無は、本籍地のある市区町村の役所(戸籍担当窓口)で発行される「身分証明書(身元証明書)」を取得することで確認できます。
(※運転免許証やマイナンバーカードのような本人確認書類のことではありません)

この身分証明書に「破産の通知を受けていない」という旨が記載されていれば、法的に破産者ではなく(復権しており)、欠格事由に該当しないことの証明になります。風営法の許可申請時にも、この書類を警察署へ提出します。
【風俗営業許可】必要書類の「身分証明書」とは?運転免許証との違いや取得方法を解説

風営法申請時に注意すべきポイントとリスク

嘘の申請(虚偽記載)をした場合のリスク

「過去の自己破産がバレると審査に落ちるかもしれない」と不安になり、まだ復権していないのに申請書に嘘を書くことは絶対に厳禁です。
警察は本籍地の役所へ照会を行うため、虚偽は必ず発覚します。嘘がバレた場合、許可が下りないだけでなく、虚偽申告による厳しいペナルティ(罰則や長期間の申請不可など)を受けます。

法人申請時の「役員選任」のタイミング

新たに法人を設立して風俗営業を始める場合、役員に就任するタイミングに注意してください。
必ず「免責許可決定が確定し、身分証明書で復権が証明できる状態」になってから役員登記を行いましょう。復権前に登記してしまうと、申請がスムーズに進まない原因になります。

経営中に役員や管理者が破産した場合の対応

すでに風営法の許可を取って営業している店舗で、経営者(役員)や管理者が自己破産の手続きを開始した場合は、速やかに警察署への変更届出等が必要になります。放置すると許可取消などの重い処分につながるため、すぐに専門家へ相談してください。

よくある質問(Q&A)

Q1:自己破産した家族(配偶者や親)がいる場合、自分名義で許可は取れますか?

A:はい、原則として取得可能です。
風営法の欠格事由は、あくまで「申請者本人(または法人の役員・管理者)」を対象としています。家族に破産歴があったとしても、あなた自身が欠格事由に該当していなければ影響はありません。

Q2:復権していれば、過去に自己破産した事実があっても風営法の警察審査で落とされますか?

A:破産歴のみを理由に不許可になることはありません。
「復権」した時点で法律上の欠格事由からは完全に外れています。過去の自己破産歴そのものが、風営法の審査でマイナス評価となり不許可の直接的な原因となることはありませんのでご安心ください。

まとめ:復権すれば風営法の許可取得は可能!不安な場合は専門家へ

風営法における「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」とは、自己破産の手続き中で、まだ法的な資格制限が解除されていない状態の人を指します。

  • 免責許可決定が確定すれば「復権」となり、許可が取得できるようになる
  • 復権の事実は、本籍地で取得する「身分証明書」で確認できる
  • 嘘の申請は絶対にNG
「自分が本当に復権しているか不安」「法人設立のタイミングや役員構成で悩んでいる」という場合は、風営法に強い行政書士などの法務専門家に相談することをおすすめします。複雑な書類準備や警察署との事前協議もスムーズに進められ、確実な許可取得につながります。
【行政書士監修】風営法第4条(欠格事由)とは?風俗営業の許可が取れない条件をわかりやすく解説