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【風営法】許可取消しから5年間は営業不可?役員にも及ぶ欠格事由を徹底解説

風俗営業(キャバクラ、ホストクラブ、パチンコ店など)を営む上で、最も恐ろしい行政処分が「許可の取消し」です。

実は、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)では、一度許可を取り消されると、その法人はもちろん、関わっていた「役員」までもが長期間新たな許可を受けられなくなる非常に厳しいルールが存在します。

この記事では、風営法の第4条1項6号に定められている「5年間の欠格事由」と、法人の役員に及ぶ影響、そして「どこまでの立場の人が対象になるのか」について分かりやすく解説します。

風営法の「欠格事由(許可が取れない条件)」とは?

風営法では、過去に重大な違反を犯した者などを業界から排除するために、「このような人は許可を受けることができない」という「欠格事由(けっかくじゆう)」を定めています。

許可取消しによる「起算して5年」の絶対ルール

風営法第26条第1項の規定による「許可の取消し」は、名義貸しや18歳未満の年少者の雇用、度重なる営業時間違反など、極めて悪質な違反があった場合に下される最も重い処分です。

もしこの処分を受けてしまうと、「当該取消しの日から起算して5年を経過しない者」は、新たな風俗営業の許可を受けることができません。
つまり、処分を受けた日から丸5年間は、全国どこに行っても、どんな業種の風俗営業であっても、二度とお店をオープンできない「ビジネスからの退場」を意味します。

【要注意】法人の場合、個人の「役員」も5年間許可が取れない!

個人事業主ではなく、株式会社や合同会社などの「法人」として風営法の許可を取っている場合は、さらに注意が必要です。ペナルティは会社という組織だけでなく、「中の人」にも波及します。

会社だけでなく「役員個人」も連帯責任になる

法人が許可を取り消された場合、その法人自体が5年間許可を取れなくなるだけでなく、当時その法人の経営を担っていた「役員個人」も、同じく5年間は新たに風営法の許可を受けることができなくなります。

「会社を潰して、自分の個人名義で新しく許可を取り直そう」「別の新設法人の代表になってお店を出そう」と考えても、風営法のルールでは一切通用しません。

処分逃れの「駆け込み辞任」は通用しない

ここでよくあるのが、「許可が取り消されそうになったら、直前に役員を辞任してペナルティから逃れよう」という手口です。しかし、風営法はこれも厳しく塞いでいます。

条文には、対象となる役員を以下のように定めています。

(風営法第4条第1項第6号)
第二十六条第一項の規定により風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)
(出典:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」
許可を取り消す前には、行政が言い分を聞く「聴聞(ちょうもん)」という手続きが行われます。この聴聞の期日が公示された日より前60日以内に役員だった人は、処分時にすでに辞任していても、道連れで「5年間の欠格」の対象となります。トカゲの尻尾切りのような逃げ道は用意されていません。

風営法における「役員」の広い定義(名義貸し・裏ボスも対象)

風営法における「役員」の定義は、会社法などの一般的なイメージよりもはるかに広い範囲をカバーしている点に大きな特徴があります。

取締役や執行役だけではない

登記簿謄本に名前が載っている、いわゆる「取締役」「業務を執行する社員(合同会社など)」「執行役」が対象になるのは当然です。彼らは法律上の正式な経営陣だからです。しかし、風営法の網はこれだけにとどまりません。

「相談役」「顧問」「実質的支配者」も含まれる恐怖

風営法の条文には、恐ろしい一文が記載されています。

(風営法第4条第1項第6号)
第二十六条第一項の規定により風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)
つまり、「登記簿には名前を出していないが、実質的にお店や会社を牛耳っているオーナー」や「名ばかりの相談役・顧問として君臨しているスポンサー」なども、実質的な支配力があると警察に判断されれば「役員」とみなされ、5年間の欠格事由の対象となります。

「自分は表に出ていないから大丈夫」「雇われ店長を社長に据えているから自分には影響ない」といった甘い考えは、風営法では命取りになります。

もし「許可取消し」の危機に直面したらどうするべきか?

もし、経営する店舗で重大な違反が発覚してしまった場合、どうすればよいのでしょうか。

「聴聞」の通知が来たら絶対に放置しない

前述の通り、許可の取消しなどの重い処分を下す前には、必ず公安委員会(警察)から「聴聞の通知」が届きます。これは「処分を下す予定だが、何か言い分はあるか」という最終確認の場です。これを放置して欠席すると、容赦なく最も重い処分が下されます。

風営法に強い専門家へ早期相談を

警察の立ち入り調査などで違反を指摘され、重大な処分が予想される場合は、一刻も早く風営法に精通した行政書士や弁護士に相談してください。
違反の事実自体を覆すのは難しいケースが多いですが、反省の意を示し、改善策を提示することで、「許可取消し」ではなく「数ヶ月の営業停止」など、処分が一段階軽減される可能性もゼロではありません。

まとめ:風営法のルールを正しく理解し、致命的なペナルティを防ごう

風営法の「許可取消し」は、法人だけでなく、役員や実質的なオーナー個人の今後のビジネスチャンスを5年間も奪ってしまう、非常に重いペナルティです。

  • 許可取消しから5年間は新たな許可が取れない
  • 聴聞公示日前60日以内に在籍していた役員も道連れになる(辞任逃れ不可)
  • 肩書に関わらず、実質的支配力を持つ者(裏オーナー等)も役員とみなされる
この厳しいルールをしっかりと理解し、日頃から「名義貸し」のような危ない橋を渡らず、法令を遵守したクリーンな店舗運営を徹底することが、経営者や投資家自身を守る唯一の方法です。
【行政書士監修】風営法第4条(欠格事由)とは?風俗営業の許可が取れない条件をわかりやすく解説