風俗営業を営むにあたり、警察署から交付された「風俗営業許可証」をどのように保管・掲示していますか?
「原本が汚れるのが嫌なので金庫に保管している」「スタッフルームの壁に貼っている」という方は、風営法第6条違反として警察の指導や処分の対象となる可能性があります。
本記事では、風営法第6条で定められている「許可証等の掲示義務」について、正しい掲示場所の基準や、違反時のペナルティ、万が一紛失してしまった場合の対処法をわかりやすく解説します。
風営法第6条「許可証等の掲示義務」とは?
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第6条では、許可証の取り扱いについて以下のように定めています。
この義務には大きく2つの目的があります。
- 正規の店舗であることの証明: お客様に対し、警察の許可を得て適法に営業している安全な店舗であることを示します。
- 無許可営業の防止・確認: 警察官が立ち入り検査(査察)に入った際、一目で許可店であることを確認できるようにします。
「営業所の見やすい場所」とは具体的にどこ?正しい掲示方法
法律にある「公衆の見やすい場所」とは、お客様が店舗に入り、サービスを受ける前に容易に確認できる場所を指します。
警察の立ち入りで指摘されない推奨される掲示場所
立ち入り検査の際、警察官にスムーズに確認してもらうためにも、以下の場所に掲示するのがベストプラクティスです。
- エントランス(入り口)の壁面: 入店してすぐ目に入る場所が最も確実です。
- レジカウンター・フロントの背面: お会計や受付を行う場所の壁面も、お客様の目線に入りやすいため適切です。
- 待合スペース: お客様が案内を待つ場所のよく見える位置。
要注意!違法・NGとなる掲示方法の例
実務上、以下のような管理をしている店舗は「掲示義務違反」とみなされる可能性が極めて高いため注意が必要です。
許可証の掲示義務違反(風営法第6条違反)の罰則・ペナルティ
「たかが紙一枚の掲示」と軽視してはいけません。警察の立ち入り検査において、許可証の掲示は真っ先にチェックされる基本項目です。
行政処分(指示処分・営業停止処分など)のリスク
掲示義務違反が発覚した場合、まずは警察から改善を命じる「指示処分」が下されるのが一般的です。しかし、度重なる指導に従わなかったり、他の違反(客引きや時間外営業など)と併発していたりする場合は、「営業停止処分」など重い行政処分に発展するリスクがあります。
刑事罰(罰金刑)の対象になる可能性
風営法の規定により、許可証の掲示義務に違反した者は、30万円以下の罰金に処される可能性があります(風営法第56条)。行政処分だけでなく、刑事罰の対象にもなり得る重要な義務であることを認識しておきましょう。
許可証を紛失・破損してしまった場合の対処法
「額縁ごと落ちて破損してしまった」「店長が変わったタイミングで原本が見当たらなくなった」という場合は、放置せずにすぐに対応する必要があります。
速やかに「許可証の再交付申請」を行う
許可証を紛失したり、著しく破損して文字が読めなくなったりした場合は、風営法第5条第4項に基づき、管轄の警察署(公安委員会)へ速やかに再交付申請を行わなければなりません。失くしたまま営業を続けることは掲示義務違反の状態が続くことを意味し、非常に危険です。
再交付の手続きの流れと必要書類
再交付申請には、一般的に以下の書類等が必要です。
- 許可証再交付申請書
- 紛失の理由や経緯を記載した「理由書」
- 一部破損の場合は、その破損した許可証
よくある質問(FAQ)
Q. 許可証のコピーを店内に掲示し、原本は金庫で保管しても良いですか?
A. いえ、認められません。
風営法第6条が求める掲示は「許可証の原本」である必要があります。偽造防止や適法性の確実な証明のため、必ず原本を額縁等に入れて見やすい場所に掲示してください。
Q. 許可証を紛失したまま営業すると無許可営業になりますか?
A. 無許可営業にはなりませんが、掲示義務違反になります。
許可自体が取り消されるわけではないため無許可営業(いわゆるモグリ)にはなりませんが、風営法第6条の掲示義務違反として罰則や処分の対象となります。紛失に気づいた時点ですぐに警察署へ再交付申請を行ってください。
まとめ:風営法第6条を遵守し、正しい許可証の管理を
風営法第6条に定められた「許可証等の掲示義務」は、風俗営業を営む上での最も基本的なルールのひとつです。
- 許可証は「原本」を掲示する
- お客様が客室に入る前に見える「エントランスやレジ周辺」に掲示する
- 紛失したら速やかに「再交付申請」を行う
【専門家へのご相談】
「許可証を紛失してしまったが、理由書にどう書けばいいかわからない」「店舗の図面も一緒に紛失してしまった」など、風営法に関するお悩みは、風俗営業に特化した当行政書士事務所へお気軽にご相談ください。迅速に手続きをサポートいたします。

