「お店を辞めたいと伝えたら、多額の罰金を請求された」
「借金(バンス)や売掛金が残っているから辞めさせないと言われている」
ホストクラブやキャバクラ、風俗店などのナイトワークにおいて、このような「悪質な退店引き止め」に悩んでいませんか?実はこれらの行為は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第18条の2で禁止されている「違法行為」にあたる可能性が極めて高いです。
この記事では、風営法第18条の2「接客従業者に対する拘束的行為の規制」の具体的な内容や、禁止されている違法行為の例、そして辞められずに困っている場合の安全な対処法を分かりやすく解説します。
風営法第18条の2「接客従業者に対する拘束的行為の規制」とは?
風営法第18条の2は、一言で言えば「キャスト(接客従業者)を不当に縛り付けて、無理やり働かせることを禁止する法律」です。
一 営業所で客に接する業務に従事する者(以下「接客従業者」という。)に対し、接客従業者でなくなつた場合には直ちに残存する債務を完済することを条件として、その支払能力に照らし不相当に高額の債務(利息制限法(昭和二十九年法律第百号)その他の法令の規定によりその全部又は一部が無効とされるものを含む。以下同じ。)を負担させること。
二 その支払能力に照らし不相当に高額の債務を負担させた接客従業者の旅券等(出入国管理及び難民認定法第二条第五号の旅券、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項の運転免許証その他求人者が求職者の本人確認のため通常提示を求める書類として政令で定めるものをいう。以下同じ。)を保管し、又は第三者に保管させること。
対象となる「接待飲食等営業」「性風俗関連特殊営業」
- 接待飲食等営業: キャバクラ、ホストクラブ、スナック、一部のコンカフェなど
- 性風俗関連特殊営業: 店舗型ヘルス、デリヘル、ソープランドなど
風営法第18条の2で禁止されている「具体的な拘束的行為」
では、具体的にどのような行為が「拘束的行為」として禁止されているのでしょうか。
1. 退店時の法外な違約金や罰金の要求
お店を辞めようとした際に、理不尽な違約金や罰金を請求して引き止める行為は明確な違法です。
- 「契約期間内に辞めるなら違約金100万円払え」
- 「飛んだら(無断欠勤したら)罰金として給料全額没収、さらにペナルティ50万円」
- 入店時に「退店時は違約金を支払う」という誓約書を書かされる
2. 借金(バンス)や売掛金を理由とした退店の引き止め
ナイトワーク特有のトラブルとして非常に多いのが、お金を理由にした退店拒否です。
- 「前借り(バンス)を全額一括で返すまでは辞めさせない」
- 「お客様の売掛金(ツケ)を全額回収するまで出勤しろ」
3. 身分証明書やパスポートなどの取り上げ
キャストが逃げ出せないように、重要な私物を没収することも禁止されています。
- お店のロッカーに身分証(運転免許証、マイナンバーカードなど)を保管させ、自由に持ち帰らせない
- 「借金のかたに」とパスポートを取り上げる
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風営法第18条の2に違反した場合の罰則とリスク
店舗経営者や責任者は、「業界の慣習だから」という軽い気持ちでキャストを引き止めると、取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。
風営法第18条の2に違反した場合、公安委員会から厳しい行政処分が下されます。
悪質と判断された場合、「営業停止命令」となり、お店を存続させることができなくなります。
その他の関連法令違反による刑事罰のリスク
不当な拘束行為は、風営法違反にとどまらず、売春や人身売買、その他の刑事罰に問われる可能性があります。
まとめ:悪質な退店引き止めは一人で悩まず専門家に相談を
風営法第18条の2では、キャストを罰金や借金で縛り付け、辞めさせないようにする行為を明確に禁止しています。
- 法外な罰金や違約金の請求
- 借金や売掛金を理由とした退店拒否
- 身分証の取り上げや脅迫
自分だけでお店と交渉するのは精神的にも危険が伴うため、まずはナイトワークのトラブル解決に強い弁護士や、風営法専門の行政書士、警察の生活安全課へ早急に相談してください。
