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【わかりやすく解説】風営法第20条とは?パチンコ・パチスロ店の遊技機規制と変更ルールの全容

パチンコ・パチスロ店の営業において、最も重要かつトラブルになりやすいのが「遊技機(台)」に関する取り扱いです。
「新台入れ替えの手続きに不備があった」「良かれと思って行った部品交換が重大なルール違反になった」といった事態を防ぐために、必ず理解しておかなければならないのが「風営法第20条」です。

この記事では、パチンコ店の管理者や運営担当者に向けて、風営法第20条の基本的な概要から、現場で迷いやすい「変更承認」と「軽微な変更」の境界線、そして違反した場合の重いペナルティについてわかりやすく解説します。

1. 風営法第20条とは?条文の概要と目的

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)における第20条は、パチンコ・パチスロ店(風俗営業第4号)の根幹である「遊技機」に関するルールを定めた条文です。

第20条が規制する「著しく射幸心をそそる遊技機」とは

風営法第20条第1項では、以下のように定められています。

「風俗営業者は、その営業所において、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準に該当する遊技機を設置してその営業を営んではならない。」

つまり、お客が「偶然の利益(大当たりなど)」を狙うギャンブル的な心理(射幸心)を過度に煽るような、射幸性が高すぎる台を営業所に設置してはいけない、という大原則を示しています。パチンコ台の出玉性能や大当たりの確率の上限などは、この条文を根拠として細かく規定されています。

遊技機の「型式試験」と「検定・認定」制度の法的根拠

設置できる遊技機かどうかを判断するためには、厳格な審査が必要です。第20条では、遊技機が基準を満たしているかを審査する「型式試験」や、都道府県公安委員会による「検定制度」「認定制度」について定められています。
店舗に導入されているすべての遊技機は、この法律に基づく検査と検定をクリアした「適法な台」でなければなりません。

2. パチンコ店の現場で重要な「第20条」のルール

条文の理念だけでなく、実際の店舗運営に直結する実務的なルールを見ていきましょう。

遊技機の増設・交替には「変更承認申請」が必要

パチンコ店で「新台を導入する」「別の台に入れ替える」「台の配置を変える」といった場合、勝手に作業を行って営業を開始することはできません。
風営法(第9条および第20条関連)の規定により、事前に都道府県公安委員会(警察署)へ「変更承認申請」を行い、承認を得る必要があります。承認前に客に遊技させることは違法となります。

要注意!「軽微な変更」と「変更承認が必要なケース」の違い

店長や管理者が最も迷うのが、「どこまでが承認が必要な変更で、どこからが事後届出(または不要)で済む軽微な変更なのか?」という境界線です。

警察庁の解釈運用基準などを踏まえると、以下のように分けられます。

【変更承認が必要なケース(性能や構造に関わるもの)】

  • 遊技機の入れ替え
  • メイン基板やサブ基板の交換
  • ロム(ROM)の交換
  • 釘の調整(※本来、検定時の状態から釘を曲げること自体が「無承認変更」として厳格に規制されています)

【軽微な変更で済むケース(性能に影響しない部品交換など)】

  • 遊技球等の受け皿
  • 遊技機の前面ガラス板等(遊技機の遊技盤又は回胴の前面に設けられたすべてのガラス板等
  • 遊技機の鍵
  • 遊技機の配線、主基板等の部品が不正なものと交換されること等を防止するために、当該物品を束ね、又は固定する透明色の絶縁材料又は透明色の硬化剤

【極めて軽微な変更で届出をしないで済むケース】

  • 同一規格の範囲内で行われる遊技機の同色のランプ、蛍光灯又はヒューズの更新
  • 遊技機の部品が不正なものと交換されていないか確認するために行われる部品の取り外し及び当該部品の取り付け(遊技機の部品の付加を伴わないものに限る)
「同じ部品だから問題ないだろう」と独自の判断で交換を行った結果、無承認変更とみなされるケースが後を絶ちません。少しでも迷った場合は、所轄の警察署の担当窓口や、風営法を専門とする行政書士に確認することが鉄則です。

3. 風営法第20条違反(遊技機規制違反)のリスクと罰則

風営法第20条や関連する変更手続きのルールを破った場合、店舗には致命的なペナルティが科されます。

無承認変更や不正改造の重いペナルティ

変更承認を受けずに遊技機を入れ替えたり、部品を交換したりした場合「無承認変更」となります。また、意図的に出玉性能を操作するような基板の取り付けや極端な釘曲げは「不正改造」にあたります。
これらが発覚した場合、店舗責任者や法人に対して「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方」という重い刑事罰が科される可能性があります。

営業停止命令や許可の取り消し

刑事罰だけでなく、公安委員会からの行政処分も下されます。
無承認変更の場合、違反の悪質性に応じて「40日以上、6ヶ月以下の営業停止命令」が下されることが一般的です。さらに、不正に射幸心を煽る改造などを組織的に行っていたと判断されれば、最悪の場合は「風俗営業許可の取消し」となります。
許可が取り消されると、その後5年間は新たな許可を取得できず、事実上の倒産に直結します。

店舗管理者の「点検義務」

第20条に基づく基準を維持するため、営業者(店舗管理者)には「設置している遊技機が基準に違反していないか」を日々点検する義務があります。不正な部品が取り付けられていないか、異常な挙動がないかを定期的にチェックし、体制を整えておくことが自店を守る第一歩です。

4. まとめ

風営法第20条は、パチンコ・パチスロ店のメインコンテンツである「遊技機」の健全性を保つための最重要ルールです。

  • 射幸心を過度に煽る台の設置は禁止されている
  • 台の入れ替えや、性能に関わる部品交換には「事前の変更承認」が必須
  • 違反した場合は、営業停止や許可取り消しなど店舗存続に関わる重い処分が下る
これくらいなら申請しなくてもバレないだろう」「前の店長もやっていたから」といった安易な判断は、企業にとって最大のリスクとなります。
遊技機の変更手続きや店舗のコンプライアンス管理に少しでも不安がある場合は、早めに専門家である行政書士に相談し、適切な店舗運営を心がけましょう。